季節の変わり目

ついこの間の暑さがまるで嘘のように、急に寒くなりました。青空の色も、夏とはどこか違うようですね。
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さてこの季節になりますと、鼻や咽の調子が悪くなる方が多い様に思います。私の医院にも、先週あたりから咽の痛み(大抵は比較的軽い痛み)、乾いた咳、鼻水などの症状で来院される方が多くなってきています。「どうしましたか?」と聞きますと、大抵の方は「風邪を引きました。」と自己診断するのですが、必ずしも風邪とは限りません。特にこの時期は、ダニやハウスダストなどによる通年性アレルギーも症状の強くなりやすい時期なので、実はアレルギー性鼻炎や喉頭アレルギー、気管支喘息だったりすることも多いです。

風邪かアレルギーかの診断は、症状と経過、鼻や咽の中の見た目、検査によって区別することが出来ます。
まず症状では風邪でもアレルギーでもくしゃみ、鼻水、鼻づまりがあるのですが、くしゃみはどちらかというとアレルギーに多い症状です。鼻は、風邪では最初は鼻水に始まりだんだんそれが濃くなりますが、1週間もするとまた透明に近くなり、やがては治っていきます。一方アレルギーでは、透明さらさらの鼻水が、いつまでも続きます。また、咳も風邪では痰のからんだ咳が多いのですが、アレルギーでは乾いた感じの咳の方が多くなります。
さらに総じて言えるのは、風邪は原則的に2週間を越えないということです。2週間以上症状が続く場合には、風邪から何か合併症を起こしたとか、アレルギーが元々あった、などの可能性を考えるべきだと思います。

次に鼻や咽の見た目としては、風邪でもアレルギーでも鼻の粘膜が腫れるのですが、風邪では赤く腫れるのに対して、長く続いたアレルギーでは、青白っぽくむくんだように腫れることが多く、これで区別の付くこともあります。咽の赤みは風邪ではよく見られる所見ですが、アレルギーでは咽は赤くなりませんから、この辺でもある程度区別が付きます。

検査としては、鼻汁中好酸球検査というのをよくやります。これは鼻水の中の細胞を顕微鏡で調べるのですが、好酸球というアレルギーに関係した細胞が鼻水の中に増えていれば、アレルギーの可能性が非常に高くなります。また、血液検査で抗体を調べたり、炎症の反応を調べたり、血液中の好酸球の数によってアレルギーの関与を調べたりすることもあります。
by jibikai | 2007-10-15 15:38 | Comments(0)

山形市の耳鼻咽喉科 あさひ町榊原耳鼻咽喉科  院長のブログ


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