喉頭の内視鏡検査
2007年 11月 17日
耳鼻科領域でも20数年ほど前から喉などは内視鏡による検査が行われておりましたが、実は耳鼻科の内視鏡は、昔から「経鼻」でした。もともと、胃の内視鏡よりも細かったので鼻から入れることが可能だったということもありますし、鼻の奥や上咽頭を見るのには鼻から覗く必要があったからだと思います。
もともとは、光ファイバーの束とレンズを組み合わせた構造になっていたものしかありありませんでしたが、最近は電子スコープといって先端に極小のCCDカメラがついていて、そこから映像を取り出して、ビデオプロセッサを介してモニタに像を映すものが普及してきました。

検査のイメージは、上の図の様になります。鼻から内視鏡の先端を入れていって、咽の上から下へと降ろしていきます。のどちんこの裏側を通り、声帯を真上から覗くことが出来ます。肉眼では死角となって見えない所まで、詳細に見ることが出来ますし、ビデオや静止画として保存することも出来ます。

内視鏡で喉を真上から覗くとこんな感じに見えます。喉頭という場所なのですが、さらに奥には気管があります。その後方には下咽頭(かいんとう)の一部である梨状窩(りじょうか)があり、この奥には食道があります。喉頭は食べ物と空気の通り道の分岐点であるのと同時に、声を作る場所でもあります。
喉頭のトラブルで咳が出たり、声がかすれたりするわけですが、その辺の詳しいお話は、また近いうちに書きたいと思います。
(今回のイラストも、”イラレ”で自作してみました。)