耳鼻科医の経済学(収入編)
2008年 02月 01日
ぶっちゃけ、耳鼻科開業医って儲かっているのか?という話です。
ある資料によれば、平成18年のデータですが、耳鼻科診療所一軒あたりの診療費というのは、1年トータルで7,554万円だったとのこと。また耳鼻科の患者さん一人、診療日数1日あたりの医療費は平均で¥3,720(平成18年10月調べ)だったとのことです。1年間に、おおよそ延べ20,000人診察しているということになります。仮に診療実日数が年間250日なら、一日あたり80人のペースです。仮に1日の診療時間が8時間ならば、1時間あたり10人のペースです。これでも私なんかはちょっと多いかなと思うのですが、さらに、患者さんの受診する曜日や時間帯にはムラがありますから、集中する時間帯はさらにハイペースで診ているということになります。ハイペースでの診療というのは、患者さんにとっても不満の原因となるところでしょうが、医者にとってもなかなかのストレスとなります。本当は、もっとゆったりと一人一人の患者さんに時間をかけて診察したいと、ほとんどの医者は思っているはずです。
比較のために、同じ時期の内科のデータを載せてみます。内科診療所一軒あたりの診療費は1年トータルで9,529万円、内科の患者さん一人、診療日数1日あたりの医療費は平均で¥6,640とのこと。1年間の延べ人数は14,337人で耳鼻科の7割程度です。同じく年間の診療実日数を250日と仮定するならば、一日あたりの患者数は57名ということになります。
耳鼻科は、内科よりも1日あたり23名多くの患者さんを診察しているにもかかわらず、診療報酬は年間で約2,000万円少ないという結果になりました。耳鼻科は処置や小手術などは内科よりも多いはずなのですが、何故これほどまでにも一回診療あたりの報酬が抑えられているのか、非常に不思議なのですが、どうもこれが現実のようです。耳鼻科は「器用貧乏」とよく言われるのですが、まさにその通り。
耳鼻科といいますと医者の中では、マイノリティといいますか、少数派なわけで、政治力もない分、いつも診療報酬を診療科ごとに配分する段階でいいように扱われやすいということを噂には聞いていましたが・・・
今回は耳鼻科医の経済学の収入編。支出編あるいは収支編も予定していましたが、計算してみてあまりにショックが大きかったので、続編は立ち直ってからになると思います。)
おっしゃる通り、格差がありました。
特に耳鼻科は使う機材なども多く、支出もかさみますよね。
あの、立ち直ったらご連絡下さい(笑)