子供が風邪の時は、耳鼻科か小児科か?
2008年 09月 05日
昔々、インドのとある王様が、目の見えない男達何人かに象を触らせて、象とはいかなるものかと尋ねました。

しっぽを触った者は箒のようですと答え、腹を触った者は壁のようですと答え、耳を触った者は簑のようですと答え、足を触った者は柱のようですと答えたそうな。
同じ物でも捉え方によって、全く違う物のように判断してしまうことの例えです。
閑話休題
「風邪」、「耳鼻科」、「小児科」の3つのキーワードで、yahoo! JAPANでも、Googleでも良いですから、試しに検索してみて下さい。結構な数のページがヒットしますが、「お悩み相談的サイト」、「子育て日記的なサイト」、「耳鼻科医院のサイト」、「小児科医院のサイト」に、ほとんど分類できそうです。上位にヒットしたところから見てみますと、耳鼻科、小児科は我田引水とばかりに、自分の科のに来なさいと訴えているのは、まあ、当然といえば当然。興味深いのは、相談サイト(あるユーザーが質問を書き込むと、それに別のユーザーが答える掲示板)が結構多く、そのページを読んでもまた、耳鼻科派、小児科派、両方の意見があることです。また、子育て日記をブログにアップしているサイトも多いですが、お父さん、お母さんの意見も「耳鼻科派」、「小児科派」両方あるようです。
掲示板やブログに載っている意見を、「小児科派」、「耳鼻科派」、「中立派」に分けてまとめてみますと、大体こんなところでした。
小児科を勧める理由あるいはケースとしては、
「子供だから」
「胸の音を聞いてくれる」
「肺炎を診断してくれる」
「熱が出たら小児科」
耳鼻科を勧める理由あるいはケースとしては、
「小児科では、待合室で別の風邪をうつされるから」
「子供の風邪では中耳炎の合併が多い」
「青っぱなが出たら耳鼻科へ」
「鼻汁を吸い取ってくれる」
中立派あるいは、併用するという意見
「最初は小児科にかかり、鼻の症状が続くなら耳鼻科」
「小児科で処方はしてもらっても、鼻の治療は耳鼻科で受ける」
などです。
私の意見としては、まあケースバイケースということになろうかと思いますが、
「急性中耳炎の疑われる時」
「濃い鼻汁や鼻づまりが続くとき」
以上のケースでは間違いなく、耳鼻科で見てもらうべきです。
熱に関しましては、原因が扁桃炎の場合は耳鼻科の方が的確に診断できますが、他のウイルス感染や肺炎、気管支炎の場合は小児科の方が良いかと思います。
咳に関しましては、これは前回も書きましたが、同じ症状でかかっても、耳鼻科と小児科では見方が違ってくることがあります。
耳鼻科ではどちらかというと、気道(空気の通り道)のうちでも上の方から、原因を探していきます。具体的には鼻、咽、喉頭,気管、気管支という順序で考えることが多いということです。それで例えば鼻汁が咽に大量に流れ落ちている様な所見があれば、それが咽に絡んで咳の原因となっていると考え、鼻や副鼻腔のの治療を中心に行います。
小児科では、どちらかというと鼻や咽の診察よりも、胸の診察の方が得意です。ですから、耳鼻科では見つからなかった肺炎や気管支喘息などが発見されたりすることもあります。
ただし、前回も書きましたが、副鼻腔炎と気管支炎の合併、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の合併はよくあることです。要は耳鼻科医が上気道中心に診ているのに対して、小児科医は下気道中心に、同じ疾患を診ている違いであって、どちらが正しいとか、どちらが優れているとかそういうものではないのです。
さて、話は盲人と象の逸話に戻りますが、象を象と見極めるためには、診療科を超えて知識を身につけ、いわゆる「専門馬鹿」にならないように心がけるとともに、全身状態にも気を配れるというのが理想なのでしょう。まあ、口で言うほど簡単なことではないのですが・・・

しっぽを触った者は箒のようですと答え、腹を触った者は壁のようですと答え、耳を触った者は簑のようですと答え、足を触った者は柱のようですと答えたそうな。
同じ物でも捉え方によって、全く違う物のように判断してしまうことの例えです。
閑話休題
「風邪」、「耳鼻科」、「小児科」の3つのキーワードで、yahoo! JAPANでも、Googleでも良いですから、試しに検索してみて下さい。結構な数のページがヒットしますが、「お悩み相談的サイト」、「子育て日記的なサイト」、「耳鼻科医院のサイト」、「小児科医院のサイト」に、ほとんど分類できそうです。上位にヒットしたところから見てみますと、耳鼻科、小児科は我田引水とばかりに、自分の科のに来なさいと訴えているのは、まあ、当然といえば当然。興味深いのは、相談サイト(あるユーザーが質問を書き込むと、それに別のユーザーが答える掲示板)が結構多く、そのページを読んでもまた、耳鼻科派、小児科派、両方の意見があることです。また、子育て日記をブログにアップしているサイトも多いですが、お父さん、お母さんの意見も「耳鼻科派」、「小児科派」両方あるようです。
掲示板やブログに載っている意見を、「小児科派」、「耳鼻科派」、「中立派」に分けてまとめてみますと、大体こんなところでした。
小児科を勧める理由あるいはケースとしては、
「子供だから」
「胸の音を聞いてくれる」
「肺炎を診断してくれる」
「熱が出たら小児科」
耳鼻科を勧める理由あるいはケースとしては、
「小児科では、待合室で別の風邪をうつされるから」
「子供の風邪では中耳炎の合併が多い」
「青っぱなが出たら耳鼻科へ」
「鼻汁を吸い取ってくれる」
中立派あるいは、併用するという意見
「最初は小児科にかかり、鼻の症状が続くなら耳鼻科」
「小児科で処方はしてもらっても、鼻の治療は耳鼻科で受ける」
などです。
私の意見としては、まあケースバイケースということになろうかと思いますが、
「急性中耳炎の疑われる時」
「濃い鼻汁や鼻づまりが続くとき」
以上のケースでは間違いなく、耳鼻科で見てもらうべきです。
熱に関しましては、原因が扁桃炎の場合は耳鼻科の方が的確に診断できますが、他のウイルス感染や肺炎、気管支炎の場合は小児科の方が良いかと思います。
咳に関しましては、これは前回も書きましたが、同じ症状でかかっても、耳鼻科と小児科では見方が違ってくることがあります。
耳鼻科ではどちらかというと、気道(空気の通り道)のうちでも上の方から、原因を探していきます。具体的には鼻、咽、喉頭,気管、気管支という順序で考えることが多いということです。それで例えば鼻汁が咽に大量に流れ落ちている様な所見があれば、それが咽に絡んで咳の原因となっていると考え、鼻や副鼻腔のの治療を中心に行います。
小児科では、どちらかというと鼻や咽の診察よりも、胸の診察の方が得意です。ですから、耳鼻科では見つからなかった肺炎や気管支喘息などが発見されたりすることもあります。
ただし、前回も書きましたが、副鼻腔炎と気管支炎の合併、アレルギー性鼻炎と気管支喘息の合併はよくあることです。要は耳鼻科医が上気道中心に診ているのに対して、小児科医は下気道中心に、同じ疾患を診ている違いであって、どちらが正しいとか、どちらが優れているとかそういうものではないのです。
さて、話は盲人と象の逸話に戻りますが、象を象と見極めるためには、診療科を超えて知識を身につけ、いわゆる「専門馬鹿」にならないように心がけるとともに、全身状態にも気を配れるというのが理想なのでしょう。まあ、口で言うほど簡単なことではないのですが・・・
by jibikai
| 2008-09-05 18:26
| 耳鼻科全般
|
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