頸が腫れたら?
2008年 09月 16日
今日はちょっとは役に立つかも知れない、耳鼻科の話です。
さて、頸が腫れたり、頸のしこりに気付いた時には、みなさん、何科にかかろうとお考えになるでしょうか?
内科? 外科? はたまた、整形外科でしょうか?
実は、これも耳鼻科受診で良いのです。頸が腫れる、あるいはしこりができる病気としては、唾液腺、リンパ節、甲状腺、副甲状腺などの炎症や、腫瘍性の病変など様々な原因が考えられるのですが、それらを鑑別していくには耳鼻科での診察が最も適当なのです。
頸の腫れやしこりの診察は、問診(いつから腫れたか、風邪のような症状の有無、痛みの有無、摂食との関係など)から始まり、触診(腫れている位置、触って痛むかどうか、周りの臓器との関係など)へと進みます。問診と触診である程度の見当を付けたら、次に、口の中や咽喉頭の詳細な診察を行う必要があります。例えば腫れやしこりが唾液腺由来ということであれば、唾液腺からの開口部(口の中のある唾液の出口)を詳しく診る必要があるし、リンパ節の腫れである場合には、咽頭や喉頭の診察が必要ですから、ファイバや電子スコープで詳しく診ることもあります。
ここまでの問診、触診、視診で原因となっている疾患を絞り込んでいき、さらには必要に応じて、エコーやCTやMRIなどの画像診断や、血液検査を加味していくこととなります。
また、最終的には細胞診や組織検査(腫れている部分やしこりの、一部あるいは全部を摘出して、顕微鏡で組織を調べること)が、必要となることもあります。細胞診は頸部の場合、穿刺吸引細胞診がよく行われ、これは腫れあるいはしこりに注射針を刺して細胞を採取する方法です。一方、組織検査は皮膚を切開して組織を採取しますが、治療も目指して全摘するときもあれば、一部だけ切除することもあります。とくに組織検査となると、患者さんへの負担も大きいですし、例えば悪性腫瘍であった場合は、下手にいじるとそれが刺激になって、大人しくしていた腫瘍が活動し出すこともあり得ますので、何でもかんでも、摘出して調べるというわけにはいきません。組織検査や摘出に際しましても、頸には重要な血管や神経が走っていますから、それらを傷つけないように十分な配慮が必要となります。
このような流れで頸の腫れやしこりの診断は行われていくのですが、咽喉頭や口腔内などの詳細な診察、場合によっては組織検査や摘出も必要となると、耳鼻科医が最も適任ということになるのです。
耳鼻咽喉科というと、耳や鼻やのどなど、穴の中ばかり覗いている様に思われかも知れませんが、意外とその守備範囲は広く、頸の腫れやしこりも専門に手がけているということを知ってもらえるとうれしいです。
さて、頸が腫れたり、頸のしこりに気付いた時には、みなさん、何科にかかろうとお考えになるでしょうか?
内科? 外科? はたまた、整形外科でしょうか?
実は、これも耳鼻科受診で良いのです。頸が腫れる、あるいはしこりができる病気としては、唾液腺、リンパ節、甲状腺、副甲状腺などの炎症や、腫瘍性の病変など様々な原因が考えられるのですが、それらを鑑別していくには耳鼻科での診察が最も適当なのです。
頸の腫れやしこりの診察は、問診(いつから腫れたか、風邪のような症状の有無、痛みの有無、摂食との関係など)から始まり、触診(腫れている位置、触って痛むかどうか、周りの臓器との関係など)へと進みます。問診と触診である程度の見当を付けたら、次に、口の中や咽喉頭の詳細な診察を行う必要があります。例えば腫れやしこりが唾液腺由来ということであれば、唾液腺からの開口部(口の中のある唾液の出口)を詳しく診る必要があるし、リンパ節の腫れである場合には、咽頭や喉頭の診察が必要ですから、ファイバや電子スコープで詳しく診ることもあります。
ここまでの問診、触診、視診で原因となっている疾患を絞り込んでいき、さらには必要に応じて、エコーやCTやMRIなどの画像診断や、血液検査を加味していくこととなります。
また、最終的には細胞診や組織検査(腫れている部分やしこりの、一部あるいは全部を摘出して、顕微鏡で組織を調べること)が、必要となることもあります。細胞診は頸部の場合、穿刺吸引細胞診がよく行われ、これは腫れあるいはしこりに注射針を刺して細胞を採取する方法です。一方、組織検査は皮膚を切開して組織を採取しますが、治療も目指して全摘するときもあれば、一部だけ切除することもあります。とくに組織検査となると、患者さんへの負担も大きいですし、例えば悪性腫瘍であった場合は、下手にいじるとそれが刺激になって、大人しくしていた腫瘍が活動し出すこともあり得ますので、何でもかんでも、摘出して調べるというわけにはいきません。組織検査や摘出に際しましても、頸には重要な血管や神経が走っていますから、それらを傷つけないように十分な配慮が必要となります。
このような流れで頸の腫れやしこりの診断は行われていくのですが、咽喉頭や口腔内などの詳細な診察、場合によっては組織検査や摘出も必要となると、耳鼻科医が最も適任ということになるのです。
耳鼻咽喉科というと、耳や鼻やのどなど、穴の中ばかり覗いている様に思われかも知れませんが、意外とその守備範囲は広く、頸の腫れやしこりも専門に手がけているということを知ってもらえるとうれしいです。
by jibikai
| 2008-09-16 15:18
| 耳鼻科全般
|
Comments(0)