耳鼻科医のお絵かき〜蝸牛の構造〜
2008年 12月 24日
前回は内耳が蝸牛、耳石器、三半規管からなることをお話
しましたが、今回はその中でも特に聴こえを担当する蝸牛に
ついて、もう少し詳しい構造についてみていきたいと思います。
蝸牛は巻き貝の様な形をしていて、2回転半しています。
根本(あるいは外側)の方が基底回転、先端(あるいは中心部)が
頂回転といわれています。蝸牛では音の高低により担当する部分が
異なり、基底回転は高音を担当し頂回転は低音を担当しています。
音の高低(周波数)毎に役割分担されているわけですが、
その仕組みについては、またいずれお話しします。
さて、巻き貝の様な蝸牛ですが、伸ばせば全長33 mmの管状の構造を
しています。断面を見ますとイラストのように鼓室階、中央階、前庭階の
3つの部屋に分けられ、鼓室階と前庭階は外リンパで、中央階は内リンパで
満たされます。これら、外リンパと内リンパは、音のエネルギーを伝える
媒体の役割をしています。耳小骨を伝わってきた音の物理的エネルギーは
蝸牛で神経の興奮という電気的なエネルギーに変換されるわけですが、
そこには非常に緻密な構造が関わってきて、知れば知るほど興味深く
不思議な世界が広がっているのですが、その辺については、次回にお話ししたい
と思います。
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先生の解説、イラスト共にわかりやすくとても参考になりました。
ありがとうございます。
これからも拝見させていただきたいです。